執筆:山田晴子
古いものと新しいものの両方に興味があります。
古いものには、今の時代に失われたものを再認識させてくれる力があります。
天然酵母を使ったパンの製法は伝統的なものであり、100年ほど前にドライイーストが発明されるまでは、パンは世界各地でその土地でとれた作物を使い、それぞれの方法で作られてきました。
現在、ドライイーストを使って工場で作られ、スーパーやコンビニエンスストアに並び、私たちの前に完成されたかたちとして出てくるパンは、時と場合によってはとてもありがたいものです。
でも、自分で天然酵母を起こし、パンを作るようになってからは、店頭に完成されたかたちで並ぶそれらは、本来の作り方や材料とはかなりかけ離れたものになってしまっているのではないかと感じています。
実際に天然酵母を使ってパンを作ると、人間がいかに自然から、そして地球からの恵みを享受し、それによって生かされているかを感じることができます。
私にとって、そして他の人たちにとっても、天然酵母のパンを作ることは、今あるものを捨てたり拒絶したりするためではなく、改善するために、なにか新しい視点を得るためにとても役にたつものだと思っています。
ですので、私は天然酵母を使ってパンやお菓子を作る活動をし、人々に食べてもらい、作り方をシェアしていきたいと思っています。
一方、IT系の仕事をしてきたことにつきましては、新しい技術に触れられるという魅力から続けてきました。
(2へ続く)
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