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「学び」をトレンドに!


子どもの学びの場を作りたい。その思いから始まった「きっかけの学校」


——始まりは、夏休みの子どもの居場所作りでしたね。

そうですね。私自身も経験しましたが、働くママの悩みの一つに、夏休み中の子どもの過ごし方があります。小学生になると、学童に行くか、自宅に帰ってくるかしかない。学童は子どもを預かってくれるけど、学ぶ場ではないので、親としては何か物足りなさを感じる。塾や習い事に通う子はそれはそれで忙しそうだし、行かない子は遊び相手がいなくて自宅や近所で過ごすようになる。そうすると、どうしてもSNSやゲームをやって過ごす時間が多くなってしまう。そんな状況、環境を変えたいと思ったのが「学び」の場をつくろうと思ったきっかけです。

運営する「カフェ・インザラフ」で、夏休み中に子どもを預かって、宿題をしたり、本を読んだり、お店を手伝ったり、東京オリンピックを一緒に見られたらいいなと思って、夏休みの寺子屋を企画しました。親や先生とは違う大人と触れ合うことで、自然と学べることがたくさんあるし、子どもも親も安心して過ごせる自宅以外の場所(子どものためのサードプレイス)を作りたいと思いました。

——ところが、新型コロナウイルスの流行で状況が一変。オンライン講座を開設することに。

中止にすることも考えましたが、違う道があるなら先に進みたいと思いました。子ども向けの企画だけでなく、大人も参加できる講座を企画し加えました。スタッフも講師も初めてのことばかりで手探りでしたが、みんなで力をあわせることで、準備からわずか3ヶ月で14の講座を開設することができました。コロナ禍で外出制限がある中だったので、講座はオンラインでの開催。オンラインツールの扱い方など、講師の皆さんにとっても初めてのことが多く、大変なこともあったと思いますが、結果それぞれが短期間でスキルアップすることができたのではないでしょうか。


状況の変化に合わせて始めたことですが、いずれはオンラインでもできるようになった方が良いと思っていたので、このタイミングでやって良かったと思っています。視野が広がる、世界が広がるのがオンラインの魅力。必要な人に届きやすくなったことが何よりの利点です。一方で、やはりリアル(対面)にはかなわない部分もあるので、オンラインとリアル(対面)との融合が理想的です。



——「きっかけの学校」では、どんなことを伝えていきたいですか?

学ぶことの面白さを感じてほしいですね。誰でもいつでも学べる環境はあるはずで、そこに意識をもつかどうか。意識をもっていれば、いつでも学ぶことはできるし、学びとるものも変わってくると思います。例えば、一つのニュースに対していろんな意見がありますが、自分とは違う考え方があることを知ることも学びです。

学生はもちろん、社会人になったら、ますます学び続けることが必要で、世の中は日々アップデートされている中で、学ぶ姿勢がないことは後退にしかならない。学ぶことで新しい気づきが見えてきます。知らなかったことを知ることで解決策が見つかったり、軌道修正ができたりすることもあります。

「きっかけの学校」では、向上心を高められる、好奇心をワクワクさせる、インスパイアを受ける、そんな場所にしていけたらと思っています。参加者のみなさんには、学ぶことの面白さや、さまざまな気づきを与えられたらうれしいです。「学ぶ」ことをトレンドにしていきたいですね。



働き方の当たり前をつくる「カフェ・インザラフ」



——「きっかけの学校」のキーワード「未来を育てる」について教えてください。

「未来を育てる」は、私自身のテーマにもなっています。本業は不動産業ですが、先代の仕事を継いだ後、一時期、仕事をするのが嫌になったことがありました。子育てをしながら働くことにも疲れて、頑張るのはやめて自分のできる範囲のことだけをしようと。そんな考え方が変わったのは、旅行先の佐渡で泊まった民宿の出会いでした。素晴らしいロケーションなのに、古い民宿でもったいないと思ったんです。もっと人を呼べる方法があるのにって。でも「冬は雪が降るし、波も高くて誰も来ないから夏場だけ民宿をやっているんだ。」って言われて、できる範囲でやるってこういうことなのかと気づいたんです。私のやりたかったことはこれだったのかとショックでもありました。

それから、自分は何のために働くのかを考えるうちに、「働き方を作りたい」と思うようになったんです。子育てをしながら、自分のライフスタイルに合わせて、目いっぱい働ける働き方を作ろうと。不動産業もワークシェアができたら面白いんじゃないか、子育てが落ち着いた時にスキルも身についている。そんな働き方をしたいと思ったのが始まりで、「カフェ・インザラフ」を始めました。


お店を出したい人が脱サラしなくても、場所をシェアすることができたら働きながらカフェができる。仕事のスキルはあるのに、パートタイムの仕事しかできない人も、自分らしい働き方ができる場所を作りたい。そういう働き方の当たり前をつくる「未来を育てる働き方」をカフェという形にして提案することになりました。


——講師の皆さんとの出会いも「カフェ・インザラフ」でしたね。

「カフェ・インザラフ」は、仕事をシェアしたり、人と人とを繋ぐ場でもありたいと思っていたので、同じ想いをもっている方と出会えるのはとてもうれしいです。講師の皆さんの学びに対する考え方や、学ぶ力が生きる力になっていくという想いに共感して、「きっかけの学校」の講師にと声をかけました。彼女たちがお店で講座を開催した時に、集客のお手伝いができなかったことにも無力感を感じていて、一緒に何かやりたいと思ったのもきっかけでした。1人じゃできないことも、みんなでやればできるような気がしたので。結果的に、一緒につくることができて本当によかったと思っています。

先の見えない時代、どうなっていくかを予測するよりも、新しい当たり前をつくっていったほうが早いんじゃないかと思っています。「こうなったらいいな」ではなく、そういう世の中をつくっていく方が確実な未来があるんじゃないか。それは1人ではできない。同じ想いをもっている人と一緒につくっていくほうが可能性は高くなる。これからも一緒に未来を育てていけるとうれしいです。



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